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FP菱田雅生コラム
投資の前にコレだけは知っておこう!

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公開日 2021年4月27日

【4/27】第297回 老後2000万円問題が55万円問題に?

2年ほど前にTVや新聞、雑誌などのマスコミが騒ぎ立てた「老後2000万円問題」。このコーナーでも取り上げたことがありますが、あの問題が、最新の統計データで計算すると、「老後55万円問題」へと一気に金額が減少しているのをご存じでしょうか。
 そもそも、老後2000万円問題の2000万円というのは、2017年の家計調査年報の数字を使って計算したものでした。
高齢夫婦無職世帯の収入の平均月額209,198円と、支出の平均月額263,717円の差額54,519円を毎月の不足額として、65歳から95歳までの30年間生きるとすると、不足額の合計が約1963万円になります。これが、ざっくりと2000万円足りないとされたわけです。
 ところが、2019年の家計調査年報の数字を見てみると、高齢夫婦無職世帯の収入の平均は237,659円、支出の平均は270,929円だったので、不足額は33,269円、30年間では約1198万円となります。
さらに、2020年の数字を見ると、高齢夫婦無職世帯の収入の平均は257,763円、支出の平均は259,304円だったので、不足額は1,541円、30年間で約55万円です。
 老後2000万円問題と大きく騒がれたものは、たった2年後には1200万円程度まで下がり、さらに3年後には55万円まで下がるという、あの騒ぎは何だったのか、騒ぐほどのものだったのか、と言いたくなるレベルになっています(もともと問題視するほどの話でないことは2年ほど前のコラムをご参照ください)。
 ただし、2020年の数字は例年とは大きく異なっている可能性があることは理解しておく必要があるかもしれません。
 というのも、平均収入が2019年より約2万円増えているのは、定額給付金10万円が夫婦2人分で合計20万円出た影響が大きかったのではないかと思われます。また、支出額が2019年より1万円強減少しているのは、新型コロナウイルス感染拡大で、外出を控えた高齢者が多かった影響が大きかったのではないかと思われます。
 つまり、2021年以降については、新型コロナの問題が収束すれば、次第に元に戻っていく可能性が高いと考えておいてよいでしょう。平均的な収入と支出で30年間の老後生活の不足金額を算出することに大きな意味はないと思いますが、今後は再び不足額が増加すると考えられます。
 しかし、老後資金を考える上で重要なのは、自分が将来どんな暮らしをしたいか、です。思い描く暮らし方によって、必要金額は大きく異なります。理想の老後の暮らし方を早くから思い描いて準備をしていくことが、理想に近づける唯一の方法ではないかと思います。

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