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FP菱田雅生コラム
投資の前にコレだけは知っておこう!

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公開日 2009年10月13日

【10月13日】株式投資と税金 ― その2

証券税制の続きです。前回は、株式を売却した場合の譲渡益課税について触れましたが、今回は、配当金の課税についてです。
平成21年現在、上場株式等の配当金についての課税は、投資家に3つの選択肢が用意されています。ポイントをしっかりと押さえて、自分にとってはどれが有利かを考えて選択することが大切です。
まず基本として、現在、上場株式等の配当金は、支払われるときに10%の税金が源泉徴収されます。つまり、1割引きされた配当金を手にするわけです。そして、配当金は、配当所得として総合課税扱いとなるのが原則です。総合課税、つまり、他の所得(給与所得や事業所得など)と合算して税額を計算し、納税するわけです(すでに差し引かれている税額との差額が精算されます)。
1つ目の選択肢は、「申告不要」。
上場株式等の配当金は、現在、金額にかかわらず「申告不要」を選択できるので、これを選択すれば、源泉徴収された10%の税額(所得税7%、住民税3%)だけですむことになります。これが一番簡単な方法。つまり、配当金をもらっても、何もしなければいいのです。
そして、2つ目の選択肢が、「総合課税」。
これは、配当所得の原則どおり、確定申告をして税額を精算します。このとき、わざわざ確定申告をするので、その特典として「配当控除」という税額控除が受けられるメリットがついてきます。しかし、この方法は、誰もがトクをするというわけではありません。大雑把にいうと、所得の低い人はトクをする可能性が高く、所得の多い人は損をする可能性が高まります。所得の多い人は、所得税率が高いので、配当金の税金を精算すると、配当控除を受けても、支払う税額が増えてしまう可能性があるからです。実際に確定申告をする際には、事前に税務署などで確認したほうがよいでしょう。
最後の3つ目の選択肢は、「申告分離課税」。
これは、平成21年分の配当金から選択できるものですが、これを確定申告の際に選択すると、配当控除は受けられませんが、株式等の譲渡損(売却損)と配当所得を損益通算できるようになります。つまり、もらった配当金額以上の売却損がある場合は、配当金から差し引かれた税金が全額戻ってくるわけです。ちなみに、この損益通算は、平成22年からは特定口座の源泉アリの口座のなかで通算が可能になる予定です。
配当金の税金については、基本的に、多くの個人投資家が1つ目の選択肢である「申告不要」を選んでいる(というより、単に何もしない)と思いますが、残り2つの選択肢のように、確定申告をして有利になる場合があるということを覚えておいて、自分の場合はどうかと、年末もしくは年明けなどに、きちんと調べたほうがよいでしょう。

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