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FP菱田雅生コラム
投資の前にコレだけは知っておこう!

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公開日 2022年4月8日

【4/8】 物価が上昇すると、なぜ金利も上昇する?(その2)

 前回のつづきです。物価が上昇すると金利も上昇する理由の2つ目の側面から見た答えは何かというと、物価上昇を止めるために中央銀行(日本では日本銀行)が金利を引き上げるためです。
 日本の中央銀行である日本銀行の理念が、日本銀行法の第二条に規定されています。その理念とは、「物価の安定」と「国民経済の健全な発展」に資することとされています。
 実は、「物価の安定」は、国民にとって重要なだけでなく、日本銀行にとっても非常に重要なのです。
 なぜ日本銀にとっても重要なのかを説明しましょう。例えば、現在1万円札を1枚印刷するのにかかっている費用は、だいたい20円前後だそうです。ということは、1万円札の価値はもともと20円くらいなのです。でも、みんな1万円として使っている。なぜ1万円の価値があるものとして通用するのかというと、みんなが日本銀行のことを信じているからです。生まれてこのかた、日本銀行のことを疑ったことのある人はいないのではないでしょうか。
 お店屋さんに行って商品を買おうとして、「1万円でお釣りくれますか?」と店員さんに聞いたときに、その店員さんが、「それ日本銀行のでしょ?ウチの店はダメ!」って言われたらビックリしますよね。でも、日本国内なら大丈夫なんです。みんなが日本銀行のことをすごく信用しているので。
 じゃあ、エジプトだったらどうでしょうか。エジプトに1万円札を持って行って、「これで水くれますか?」と聞いたら、きっと「何?その紙?それじゃダメ!」と言われるのではないでしょうか。エジプトでは、日本銀行を信じている人がいないからです。
 つまり、何が言いたいのかというと、日本銀行にとっては、自分たちが国民から信用されること、そして、1万円札の価値を維持することがすごく重要なのです。物価が上がると、お金の価値が下がってしまう。ということは、1万円札の価値が下がる、イコール、日本銀行の信用が下がるということなんです。
 だから、日本銀行などの世界各国の中央銀行は、自分たちの発行している紙幣(お金)の価値が下がる物価上昇(インフレ)は、食い止めなければならないものなのです。中央銀行が、「インフレファイター」(物価上昇と戦う人)と呼ばれるのはそのためです。
 さて、3月中にもアメリカでは利上げが行われるかもしれません。ロシア軍のウクライナ侵攻の問題が片付かない状況では、簡単には利上げに踏み切れない可能性もありますが、さらなる物価上昇は絶対に食い止めなければならないと思っているはずです。3月15、16日のFOMC(連邦公開市場委員会)でどのような発表が行われるのかは要注目です。
 ちなみに、日本銀行も3月17、18日に金融政策決定会合がありますので、こちらも要注目です。

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