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【真実一路】内田晋也の投資コラム

【5月20日】~円安と通貨防衛の境界線~

2022年5月20日

円安は日本のあらゆるものを安く、そして小さくします。

世界にある日本名義のあらゆる資産のドル建て価格を安くします。

日本の株価も、不動産価格も、GDPも世界的に小さくします。

だからあまり良いことではありません。

今はまだ対外純資産や国民の金融資産、高価値の不動産など世界的に対抗できる価値があるにはあるので、それが評価されリスク回避通貨としての評価される部分があります。

でも日本は人口も減少している国なので経済自体の拡大にも限界があり、いわゆる構造的な問題を含んだ将来期待の小さな国なのです。

この将来期待の小ささが意識されるとなると、さらなる通貨安となり、これが日本の価値を毀損するかもしれません。

楽観的に見れば、この円安が世界から日本に来るのを簡単にします。

旅行も転勤も今後大きく伸びるでしょう。

円高の時ですら日本は旅行先として人気を誇ったわけですから、円安になれば、さらにその分だけ増えるかもしれません。

安全です、穏やかな国民性です、戦争も望まず、インフレも強くない、飲料水にも困らず、夜に子供が独り歩きが出来る世界的で唯一の国な訳ですから。

外国人から見れば楽園に見えるかもですね。

しかしさらに円安が進めばどうでしょう。

外国勢が日本の企業や不動産を買い占めるかも知れません、となると仕事や住まいも奪われ、国防的な観点からもちょっと危険です。

にもかかわらず政府・日銀は、ろくな議論もしないで、国債の大量発行を政府の子会社である日銀に引き受けさせ、政府の財布になり下がっています。

更にインフレが進行した場合に制御不能になる可能性があるかもしれません。

いわゆる景気停滞化における物価上昇=スタグフレーションです。

円安とインフレがさらに進行し、悠々と暮らせなくなった実感が加わってはじめて、大きく変わるのかもしれません。

その時の通貨防衛策はなんでしょう。

はい、日本国債の外貨建て発行のみです。

足元を見られた高金利での資金調達を余儀なくされます。

消費税20%、医療費負担7割、年金受給80歳など国民主権を無視した戦時下のような体制になるかもです。

こんな日本に誰がした!

となる前にそうならない努力が求められるのでは?

投資調査部 内田
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内田晋也(うちだしんや)

略歴

1973年千葉生まれ。大学時代は経済学部にて国際貿易金融論を専攻し卒業。1996年より現三菱UFJモルガンスタンレー証券にて営業職として勤務。20歳代で手数料ランキング1位を成し遂げる。その後、極東証券に移籍しディーラーへ転身。ポジション3000万からスタートし、そこから6000万→1億→3億→6億と目覚ましい活躍をするも、これまで20年間で培った経験を個人投資家へ伝えたいとの思いから投資助言の道へ。2017年7月よりG&Dアドヴァイザーズへ入社し現在に至る。